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2つの条虫の話

今日は、横浜市港南区のシンシア動物病院です。

棚を掃除していたら、検体ストックの所からこんなものが出てきました。昨年の丁度今頃来院された子猫から見つかったものです。

               

 

 

そんな中、またまた別の保護された子猫が健診にやって来られました。見た目はとっても健康で元気な男の子でしたが、何気なくした検便で珍しい寄生虫卵が見つかりました。条虫の中でもノミからうつる瓜実条虫は一般的ですが、蛇やカエルなどが媒介するマンソン裂頭条虫ではほとんど見た事がありませんでした。早速駆虫薬を使い、定期的検便をご指導してその日はお帰り頂きました。

すると翌朝、子猫のおしりから虫が出ていて数10cmにもなる虫体を飼主さんが引っ張り出したとの事。それを病院に持って来て頂くと、平紐状の立派なマンソン裂頭条虫でした。寄贈して頂いたので、ホルマリンに漬けて有難く保存させていただきます。あの小さな体の中にこんな長い虫が寄生していたのです、本当に憎たらしい悪い寄生虫です。たとえ虫体の一部が排泄されても頭部が腸管に残っているとまた育っていくという、完全に駆徐するのはとても難しい寄生虫なので、今後も何度も検便駆虫を繰り返す必要があります。

ひとまず子猫くんは腸の中は少しすっきりしたので、しっかり栄養を取ってすくすく育って行ってほしいですね。

        

 

 

因みによく見られる犬条虫(サナダ虫)はノミが媒介します。あまり検便では虫卵は見つからず、排泄された便に体節(虫体の一部)が付着しているので見つかることが多いです。マンソン…程でなくても結構駆虫が難しいので、感染しないに越したことはないですね。特に保護した猫さんにノミが付いていた場合は要注意です。まずはノミ駆除予防を心掛けましょう。

 

 

 

 

 

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シンシア動物病院
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住所:〒233-0008 神奈川県横浜市
港南区最戸1丁目2−3
TEL:045-714-1560
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