2025/05/28
あっという間に5月も終わりに近づいています。不安定なお天気のあとは間もなく梅雨入りになるでしょう。飼い主さまもペットも体調を崩しやすい季節になります、くれぐれもお体をご自愛ください。
気温と湿度が上がってくると、やはり外耳炎も含めて皮膚疾患が増えてきます。突発的に耳や体を掻き出したり、慢性の痒みをアポキルなどで鎮静していた子がどうにも抑えきれずに来院されたり、毎年恒例でこの季節に皮膚炎をおこす子が後を絶ちません。ノミなどの根本的な原因がない限り、対症療法でやりすごすしかありません。できるだけ清潔を心掛けお散歩などで気を紛らわせたりと、飼い主さんの努力も並大抵ではありません。命に係わらないけれど痒いということは相当ペットにストレスを与えます、可哀そうですね…。
もう一つ、特に高齢のペットで単発でてんかん様発作を起こす子が数名います。みなそれぞれ抗てんかん薬を常用しているのですが、先日など朝出勤したら、2組のペットが夜中に発作を起こしたとして来院してました。うち1名は夜間救急病院に罹り(いつもお世話になってま~す)処置後罹りつけの当院に戻ってこられたのです。常用の薬の量を増やしたり、別薬を追加したりで調節をしてどちらも数日後には落ち着いてくれたようです。
気圧の原因なのか?何がきっかけなのかはわかりかねますが、小康状態を保っていた子が悪化したりすることが多いのがこの季節です。いやな時期ですが心しておかなければなりませんね。
そして梅雨から夏にかけて特に注意していただきたいのが「熱中症」です。熱中症とは、高温多湿の環境のもとで高体温・脱水によっておこる全身疾患です。熱中症により高体温になると全身の臓器が障害を受け最悪の場合多臓器不全を起こし死に至ることもあります。ペットの場合夏期に多い症状ですが、トリミング中のドライヤーの熱風で発症することもあります。特に、短頭種や肥満のペット・心臓や呼吸器疾患を持つペットには注意が必要です。症状は高体温・粘膜の充血・頻脈やパンティングですが、重篤になと嘔吐下痢や運動障害・虚脱・意識消失やけいれんなどを起こします。高齢のペットでは外見は軽症状でも、内臓でのダメージが大きく症状が重篤になるケースもありますのでさらに注意が必要です。
外出は高温になる日中はできるだけ避けて、散歩も早朝や深夜の涼しい時間帯を選びましょう。また室内においても、温度・湿度の調節に加えて風通しを良くして空気の停滞を防ぐこともポイントです。もし、ペットの症状にいつもと異なる様子が見られたら、動物病院に相談されるか受診されることがお勧めです。
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シンシア動物病院
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