会陰部尿道瘻形成術 4匹目

今年4件目のオス猫の会陰部尿道瘻形成術を施行しました。

もともと泌尿器疾患で掛っていた子や転院してきた子がメインの中、Kちゃんは初め下痢と嘔吐で食欲がないとの消化器症状で来院されました。排尿の有無を飼主さんに確かめると普通に出ていたとのこと、腹部触診では皮下脂肪が多く膀胱は確認できませんでした。取りあえず下痢嘔吐の治療で一日様子を見ることにしたものの、翌日になっても症状は改善しませんでした。レントゲンを撮ると拡大した膀胱と腎臓と尿道内に微粒結石が見られました。膀胱内の結石が尿道に降りてきたのでしょう、完全尿路閉塞です。急いで鎮静をかけ尿路を開通することにしたのですが、肥満のためペニス先端は埋没しまた閉塞部の微粒結石を膀胱に押し戻すのに苦労しました。何とか尿道カテーテルを留置して、体調が戻るのを待って手術になりました。

形成手術は個体の体格などによって随分感覚が違うようです。Kちゃんはちょっぴりやりにくかったようです、院長は老眼鏡をかけて苦戦していました。今は麻酔も覚めて、処置室のケージで監視されています。Kちゃん頑張れ!

               

 

「おしっこが出ない…」など排尿障害や「ウンチが出ない…」などの便秘でペットが苦しがっていると、ペット自身はもちろんですが見ている飼主さんもかなり辛い思いをされていたことでしょう。会陰部尿道瘻形成や結腸切除術を受け普通の生活に戻ったケースでは、よく飼主さんのお喜びの声を聞かせてもらえます。「音を立てておしっこをしているんです!」「トイレに入ると秒でうんちが出るんです!」嬉しそうに仰る飼主さんの声は、この上なく動物病院の励みになります。