2025/11/12
今日は、横浜市港南区のシンシア動物病院です。
さまざまな病気で食欲を失うペットがいます。基礎疾患にもよりますが、吐くとか呼吸困難とかがない限りできれば少しでも口から食べてほしいものです。あまりに長期間食事をとらないと、特に猫の場合はそれこそ肝臓に負担がかかってしまう(※)といわれています。強制的に給餌するのも難しい時、禁じ手というか奥の手を使うことがあります
人間はもちろん獣医の分野でも用いられる鎮静・抗不安薬の2次作用で、なぜか一瞬だけ爆食する作用が出るのです。いつもいつも半信半疑で使うのですが、目の前に餌を置きそれを静脈注射すると、十中八九の子がいきなり食いつくのです。ほんの10分かそこらの間のことなので、その食欲が続くわけではないのですが、それがきっかけで少しずつ食べ始める子もいるので、藁にも縋る思いで使います。
もちろんもとは鎮静薬なのでその後充分経過観察は必要です。
何日も食べなかった子が一瞬でも食べてくれた…その時の飼い主さんの嬉しそうな表情にいつも心を動かされます。どうかこれがきっかけになってくれますように…祈るばかりです。
※猫が食欲不振が続くと、肝臓に脂肪が蓄積して脂肪肝を引き起こす可能性があり、これは肝不全につながります。
