2025/09/03
今日は、横浜市港南区のシンシア動物病院です。
「頻回吐いて食欲がなくなった」との事で来院されました。7才去勢済みのオス猫君です。
中毒や異物の誤食・膵炎・尿閉塞…色々な原因を想定して、身体検査のうえ血液検査・レントゲン検査を準備します。体温は37.3℃と低めでやや沈鬱気味、尿貯留も普通で聴診でも異常はありません。レントゲン検査でも明らかな異常はありませんでした。しかし、血液検査でBUNが>140、CREも13.0です。尿毒症状態ですが慢性腎不全疑う経過ではありません。では何故急にBUNが上がったか?推し量るに、一時的に尿閉塞状態になったものの、自然に塞栓が排出されて開通できて排尿したのでは?と考えました。実際に尿道閉塞はないものの、残った尿を調べると明らかに血尿で、ストラバイトなどの尿砂はほとんどなく、上皮細胞の落屑がみられました。とりあえず、入院して点滴をしながら排尿状態を観察することにしました。ちょっぴり恐がりだけれど、甘えん坊の気のいいやつです。
翌日は、嘔吐はなく排尿もありました。しかし食べない!なだめすかしてようやくちゅーる1本を舐めさせただけです。
翌々日も状態は変わらず機嫌はよさそうですが、相変わらず食べません。血液検査では若干下がったものの相変わらずBUN・CREは高値を示します。食餌を取れないのでここで一旦退院し、皮下点滴に通院してもらって経過を追うことにしました。
その後1日空けて血液検査をしたところ、あ~ら不思議!BUN・CRE共に急降下しているではありませんか。ほとんど正常値です!嬉しいながらも信じられず、思わず同居の別の猫を間違って連れてきたのでは?と疑ってしまったほどです。
自宅に帰っても食餌はまだ十分に取れていないとのこと。油断はできないので、間隔を空けても皮下輸液のため通院を続けていただくことにしました。食欲が出るまで経過を追います。どうぞ、ぶり返しませんように…でも、何だったんだろう…?